尾木ママがモンゴルに!

「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹さんが、モンゴルへ行かれたそうですね!

ご本人のブログ(Click!)にモンゴルでの日々について書かれていますが、ウランバートル小中学校や大学の視察、モンゴル政府関係者・JICA関係者との意見交換、遊牧民のお宅訪問などなど、盛りだくさんの内容でモンゴルの教育現場を見て回られたそうです。

 

モンゴルの教育制度に関単に触れますと、現在のモンゴルの教育制度の基礎というのは、モンゴルが独立を果たした1921年から民主化する1990年までの約70年間、旧ソ連の影響を受けながら形成されたものです。実は、モンゴルの識字率は97%、また、高等教育の進学率は62.3%と日本(61.5%)よりも高く、とても高度な教育水準を保っているのです(数字は2012年のもの)。特徴的なのは、特に女性の大学進学率が高いことですね。よく言われる要因としては、①女性の方が能力と積極性が高い、②文化的に、男の子は家(遊牧)の仕事を手伝うことで経済的自立が果たせるけれど、女の子は高い教育を受けることで自立を図る必要があるという考え方がある、というものが挙げられます。わたしが以前担当していたJICAの留学生プログラムの応募者をみても例年女性が多かったですし、モンゴル人の友人の中には、結婚や出産をしつつ「次は海外で修士号を取ってキャリアアップするの!」と目標を語る女性も多く、ハイレベルの教育に裏打ちされた女性の強い向上心と自信を感じます。もちろん、海外で修士号を目指せる人はごく一部ですし、子育てとキャリアを両立させる必要性、また、家族や親類のサポートを経て両立できる環境がつくりやすいという点など、日本とは状況が異なりますが、ハングリー精神旺盛なモンゴル女子といると、いつもパワーをもらいます。

 

尾木ママの話に戻りますが、ブログを見ていると『教育は「個別教育」が基本』という言葉が目に留まりました。モンゴルは子どもの数に対し学校数が圧倒的に少ないので、大人数の教室で子どもたちがひしめき合い、しかも2部制、3部制のなかで授業を受けることもよくあります。そのような環境で、先生たちが一人一人をきめ細かに指導するのはやはり難しいですし、教科書を覚えるだけの詰込み式の教育に偏ってしまうことへの懸念も度々指摘されます。この問題、日本ではどうなのでしょうか?最近はLD(学習障害)や発達障害という概念も広く知られるようになって、個別教育の必要性は重視され始めていると感じますが、実際の教育現場ではどの程度適用されているのでしょうか。(そのあたりの知見がないのでこの場で議論できないのですが・・・・)モンゴルでもこの問題は今後深刻化していくものと思いますが、今はまず学校自体の数を増やすことが急務なのでしょう。日本政府によるODAでも学校設立のためのプロジェクトが進行しています(Click)。

 

今回、尾木ママのモンゴル訪問で大注目なのが、「新モンゴル学園日馬富士校舎」の視察です。そう、あの元横綱日馬富士です!日馬富士は、母国モンゴルへ帰国後、モンゴルの子どもたちのために学校を開設しました。新モンゴル学園は日本式の教育方針を取り入れた小中高一環学校で、子どもたちは日本語がものすごく上手!!その分校が今回の「新モンゴル学園日馬富士校舎」ということで、日馬富士の想いとともに、多くの子ども達が今後日本とモンゴルの架け橋になってくれることを願います。

 

日馬富士といえば、絵もものすごく上手なんですよね。改めて、多彩で素敵な力士でした・・・。

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鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

8歳の頃、初めて出会った海外の友人がモンゴル人だったことがきっかけで、モンゴルに憧れを抱く。 早稲田大学国際教養学部在学中にモンゴル国立大学への留学が実現。 卒業後、アクセンチュア株式会社、外務省勤務を経て、日本国際協力センター(JICE)にて、モンゴルにおけるJICAの人材育成プロジェクトに携わる。 モンゴル滞在中は、孤児院支援、遊牧生活、起業も経験。 現在は早稲田大学公共経営大学院に在学し、モンゴル研究、通訳、執筆活動等を行っている。

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