故郷の味は、いつも切ない

メキシコシティは色々な顔を持つ街だ。高層ビルが立ち並ぶ大通りを1本入ると、屋台に人が並ぶローカルな景色がひょっと覗く。安全なエリアとそうではないエリアもはっきりと分かれており、観光客にはなかなか見分けがつかないのが難しいところだが、歩く場所と時間を間違わなければ安心して出歩くことが出来る。逆に言えば、そのふたつを徹底しない場合は何が起きても不思議ではない闇を抱えていることにもなる。

 

メキシコシティ滞在中に宿泊したのは「ローマ・ノルテ」というエリア。周りには、オシャレなカフェと花屋さん。筋肉質な上半身と御御足を惜しげもなく披露しながらジョギングに勤しむ人々と、高貴な犬達。

見るからにリッチなここの住人達は、日本で見たことのないような犬達を連れている。何を食べさせたらあんなに毛並み良く足が長く育つんだろう?私の旅の生活費よりも間違いなくお金をかけてもらっているであろう犬達を横目に、スーパーへ向かって歩く。

「スーパーミカサ」という、日本風の香り漂うスーパーマーケットへ来た。店先にはたこ焼きとたい焼きの暖簾。

自動ドアを入って最初に目に入ったのは焼酎・日本酒コーナー。

 

みんな大好き黒霧島 572ペソ(≒3859円)

獺祭1349ペソ(≒9101円)

 

私はお酒が好きです。日本酒、大好きです。でも、「飲みたい」という気にすらならない。手が出ない。

ほんだし 102ペソ(≒688円)

金のつぶにおわなっとう 57ペソ(≒384円)

旅の終盤なら間違いなく手を出していたところだが、日本を発ってからまだ8日目。「今日のところは勘弁してやるか」と故郷の味に強がりながら見物だけして帰宅。

 

こういうとき、モンゴルでの食生活がいかに快適だったかを思い知らされる。日本から5時間で行ける「ご近所さん」なこともあり、日本食は調味料からインスタント食品までなかなか幅広く揃っている。なかでも助けられていたのは、「日本米」と「めんつゆ」。

ウランバートルには凄腕の日本食レストランが数軒あって、お寿司もお刺身もお鍋も、鉄板焼きだって食べられる。

あぁ、モンゴル。恋しいモンゴル。

 

まだまだ旅は続く。

故郷の味は、早い。

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鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

早稲田大学国際教養学部、政治学研究科卒、モンゴル国立大学留学。
アクセンチュア株式会社、外務省、日本国際協力センター(JICE)、在モンゴル日本大使館にて勤務。

幼少期に1人の留学生と出会ったことがきっかけで、いつのまにかモンゴル尽くしの人生に。2022年6月からは世界一周の旅に出発。自身のウェブサイトKANO LABO(カノラボ)
https://kanolabo.comで旅のコラムや旅情報を発信中。
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