日本・モンゴル外交関係樹立50周年記念特別展「邂逅する写真たち――モンゴルの100年前と今」

本日、最終日を迎えた日本・モンゴル外交関係樹立50周年記念特別展「邂逅する写真たち――モンゴルの100年前と今」。

これほどにも正面切って「従来のモンゴル」を転覆させ、「新しいモンゴル」へ私達の興味関心を駆り立てた展示会は初めてだったのではないでしょうか。

タイトルに使われている「邂逅(かいこう)」という言葉。意味は、「出逢い」。外国人写真家が100年前に切り取った「モンゴル」と、若きモンゴル人写真家が捉える現代の「モンゴル」が交差する空間。観る者に迫り、混乱させ、膨大な情報とメッセージを叩きつけてくるこの展示会は、ただ単に「あぁ、見て良かった」という趣意のものとは全く次元が違うものであったことを強調したいと思います。

前者の外国人から見た「モンゴル」が象徴するのは、ゲルの横で家畜の世話をする遊牧民、名もない草原で裸のまま遊ぶ子ども、子を抱きこちらを見つめる母親。いずれも表情は硬く、質素な暮らしぶりが伺えます。

対して後者はというと、新進気鋭の若手モンゴル人写真家インジナーシの視点から、現代のモンゴルー都会で着飾り音楽に酒に興じる若者達や、格差やアルコール依存など今のモンゴルが抱える闇に飲み込まれていく人々の様子が浮かびあがります。

大自然に暮らし、ゲルと家畜を伴いながら遊牧生活を営み、古き良き日本を彷彿とさせる懐かしきモンゴル。多くの人が期待する通りの「モンゴル」に違いありません。ですが、この展示会を見たら最後、鑑賞者の脳内では固定観念化した「古き良き」と「リアル」が対峙し、モンゴルに対する概念は大きく塗り替えられたことでしょう。

 

あの頃と今

遊牧生活と都市生活

外国人視点とモンゴル人視点

“古き良き”と”リアル”

 

これらの交差点に立たされたとき、あなたの「モンゴル」はどんな顔を見せるのでしょうか。

 

展示会は今日で閉会を迎えましたが、人類学者でありこの会の仕掛け人である島村一平さんの代表的な著書をご紹介します。

憑依と抵抗 (Click!)

ヒップホップ・モンゴリア (Click!)

増殖するシャーマン (Click!)

 

尚、「憑依と抵抗」は表紙のインパクトがありすぎて、部屋で目が合うと得も言われぬ気分になります(良い意味で)。

深い深い、モンゴル沼。さらに、奥に、ずぶずぶとはまっていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

早稲田大学国際教養学部、政治学研究科卒、モンゴル国立大学留学。
アクセンチュア株式会社、外務省、日本国際協力センター(JICE)、在モンゴル日本大使館にて勤務。

幼少期に1人の留学生と出会ったことがきっかけで、いつのまにかモンゴル尽くしの人生に。2022年6月からは世界一周の旅に出発。自身のウェブサイトKANO LABO(カノラボ)
https://kanolabo.comで旅のコラムや旅情報を発信中。
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Instagram: @kano_labo
Email: kanolabo2021@gmail.com

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