えんとつ町のプペルが、モンゴルの本屋さんに並んだ!

日本でも大変話題になった西野亮廣さんの『えんとつ町のプペル』。この絵本が今年2月にモンゴル語訳で出版され、今モンゴルの人々の間で話題になっています。翻訳を完成させたのは、日本の大学で学んだ5人の元留学生。ここ数年、留学生に関わる仕事をしてきましたが、日本で学んだ人がモンゴルに戻ってからも日本を好きでいてくれる、さらには周りにもその縁を広げてくれるシーンというのはとても嬉しいものですね。

著者の西野さんはこの絵本で「周りに何を言われようとも自分の信念を貫く強さ、信念に基づいて行動することの大切さ」を伝えていますが、このメッセージはモンゴルの若者にも真っ直ぐ届く気がしています。というのも、これまでご紹介してきたようにモンゴル人はパッションの人たちですから。最終的にどうなるかは別としても、これほど自分を強く信じる力、チャレンジする情熱と行動力を持った人たちはいません。(モンゴルの直後にスリランカで暮らしたことで、よくよく分かりました。)訳者である5名の元留学生の情熱と行動力が生んだこの本が、多くの人の元へ届きますように。

 

ウランバートルの街を歩いていると、今でこそ書店で様々な本を購入することができますが、私が留学中の2007年頃は辞書ひとつ買うのも難しかった記憶があります。原本ではなく印刷したコピーしか置いていないこともあり、印刷も薄かったり斜めになっていたりで、ひどく苦労して一文字ずつ拾っていました。それを思うと、この十数年の間で子ども達が外国の絵本を読めるほどに発展を遂げたモンゴルの変貌ぶりには驚くばかりです。

最近では日本文学や小説の訳書も増えていて、ウランバートルにある大型書店「Inter Nom」に行くと必ず日本の作品を見つけることができます。特に村上春樹はモンゴル国内でもファンが多いようで、『1Q84』は長い間「Top10」のコーナーに陳列されていました。また、モンゴルでも日本のアニメ、漫画が大人気で、専門店でONE PIECEやNARUTOなどのモンゴル語コミックスを見かけたことがあります(著作権がどうなっているのかはグレーですが・・・)。私が買い込んだのは、SLUM DANK(スラムダンク)のモンゴル語版。日本語版を穴が開くほど読んでいたので、モンゴル語があやふやでも十分に感動できました。名作は、時も言語の壁も超えていくものですね。

その国の発展度合い、人々の関心、日本との関係など、本以外にもたくさんのことを感じることができる書店巡り。ウランバートルで本屋さんに行きたいときは、Internom Bookstore (Click!)がおすすめ。階段を上るとおしゃれなカフェが併設されていて、居心地の良い素敵な場所です。お気に入りの1冊を持って、ぜひ覗いてみて下さい。

この記事を書いた人write

鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

早稲田大学国際教養学部、政治学研究科卒、モンゴル国立大学留学。
アクセンチュア株式会社、外務省、日本国際協力センター(JICE)、在モンゴル日本大使館にて勤務。

幼少期に1人の留学生と出会ったことがきっかけで、いつのまにかモンゴル尽くしの人生に。2022年6月からは世界一周の旅に出発。自身のウェブサイトKANO LABO(カノラボ)
https://kanolabo.comで旅のコラムや旅情報を発信中。
執筆等のご依頼はこちらまでお気軽にご連絡下さい。
Instagram: @kano_labo
Email: kanolabo2021@gmail.com

一覧へ戻る