並べて眺めてみた!モンゴルとスリランカー⑥恐怖の肝試し

水回りって、大事ですよね。日本はどこへ行ってもトイレがキレイ。人間にとって絶対に必要且つ他人と共有する場所であるからこそ、キレイに使うことが大切です。が、こんな共通認識も一歩日本を出れば通用しないことが多々。これまで様々な国でオバケトイレに出会っては肝を冷やしてきました。なかでも、モンゴルのトイレ事情はなかなかに上級者向けです。忘れもしないのは2007年にモンゴル国立大学に留学中のこと。休み時間にトイレに行こうとすると、男女が同じドアに向かって歩いていくではありませんか。当時の大学のトイレは中に仕切りはあるものの男女共用で、背の高い男子生徒の頭を横目で見ながら用を足さなければいけませんでした。今でこそ男女別々のキレイなトイレになっていますが、当時はカルチャーショックだったことを覚えています。

 

―草原に掘られた恐怖のトイレ

そしてモンゴルのトイレ語りで外せないのが、草原トイレ。その名のとおり、トイレ設備の無い田舎に行ったときに草原のど真ん中で用を足すシチュエーションを指します。この草原トイレは最初は抵抗があるかもしれませんが、慣れると爽快そのもの。さすがに人前でするわけにはいかないので岩場の影や木陰にこそっと陣取る必要がありますが、青空に見守られ、そよ風に吹かれながら自分を解放する瞬間は、人間も自然の一部だということを思い出させてくれます。

そう、何もない草原なら良いのです。問題なのは、草原の中に作られた人口トイレ。ゲルキャンプや、遊牧民が長期で暮らすゲル近くにはお手製のトイレが作られています。雨量が少ないモンゴルの、特に田舎では水源の確保がとても大切なので、排泄物で川や湖を汚さないようにトイレの場所が決められてます。でも、ここは何もない草原のど真ん中。トイレと言っても、穴を深めに掘って木の板を乗せるだけという簡易なものです。詳細は描写しませんが、人口トイレは日に日になかなかなことになっていきます。モンゴルの草原トイレの解放感はやみつきになりますが、この人口トイレだけはいつも身構えてしまいます。

 

―ジャングルに佇むトイレ。周囲はサルの占領下。恐る恐る近づくと・・・

スリランカの田舎を旅していたときのこと。鳥がさえずり、サルの群れが木から木へと飛び移るのが見えるジャングルルックな場所に、そのトイレはありました。遠目から、白い簡易トイレのような箱が2つ身を寄せ合っているのが見えます。ヒジャブを被った女性もいますし、男女はしっかり分けられているよう。でも、周囲を囲むのはうっそうと生い茂る巨大な木と多動なサルの群れ。中は一体どんなことになっているのか・・・覚悟を決めて、目を半分だけ開いてドアノブを回してみると、目に飛び込んできたのは汚れの一切ない純白のトイレ。幻想を見ているのかと思いよく目を見開いて見つめてみましたが、本当に美しい。夢見心地で用を足して少し離れた場所から純白トイレの様子を窺っていると、きちんとお掃除の人が管理をしているではありませんか。また、スリランカのトイレには小さなシャワーが付いているので、何かあれば各自が責任をもってシャッと流しているのでしょう(紙を使う代わりにこのミニシャワーで流すらしいのですが、私はまだトライしたことがありません)。中は水でびっしょりですが、とにかく清潔さは保たれています。トイレが汚れていないって、尊いことです。

純白トイレに感動しながら「モンゴルのトイレも、もう少しキレイだったらなぁ・・・」とつい思ってしまいましたが、これは、降水量が多く水源が豊富なスリランカでこそできる技。トイレの神様に感謝しつつ、ジャングルの旅を続けました。

 

年末最後のテーマがトイレになってしまいましたが、美しい水回りとともに、爽快な新年を迎えられますよう!

2022年が皆様にとって素晴らしい年となりますように。来年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

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鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

8歳の頃、初めて出会った海外の友人がモンゴル人だったことがきっかけで、モンゴルに憧れを抱く。 早稲田大学国際教養学部在学中にモンゴル国立大学への留学が実現。 卒業後、アクセンチュア株式会社、外務省勤務を経て、日本国際協力センター(JICE)にて、モンゴルにおけるJICAの人材育成プロジェクトに携わる。 モンゴル滞在中は、孤児院支援、遊牧生活、起業も経験。 現在は早稲田大学公共経営大学院に在学し、モンゴル研究、通訳、執筆活動等を行っている。

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