新ウランバートル国際空港から成田空港へ~帰国までの流れ~

8月30日、モンゴルから日本へ帰国しました。元々は24日にソウル経由で戻るはずが、「モンゴルからソウルへの渡航者に陽性者が多過ぎる」という理由で、急遽ソウル便が欠航に・・・そのおかげで成田直行便で帰国することができたわけですが、母国の地を踏むのにこれほど労力をかけた(かけてもらった)ことは初めてでした。モンゴル・日本間を自由に移動できる日が来るのはまだ少し先になりそうですが、これから日本へ帰国する方の参考までに、新ウランバートル国際空港から成田空港、そして入国までの道中を綴ります。

~新ウランバートル国際空港にて~

(1)チェックイン

まず驚いたのは、予想以上に人がいたこと。「成田便に乗れるのは70人が限界のはずなのになぜ・・・」と訝しんでいると、実は大半の人々は出発ではなく見送りのよう。古い空港でも、親族総出でデールを着用してミルクを天に捧げながら家族を見送る一家の姿をよく目にしていたものです。新空港でも同様に、至る所で別れの抱擁が交わされていました。

今回、私と夫は2年間の滞在を終えての帰国だったため、大量の荷物を抱えていました。

・スーツケース(特大)3個

・手荷物(大)2個

・手荷物(リュック)2個

・冬物コート 3着

・カメラケース

・その他小物

これらを2人分の荷物としてチェックインすることはできません。今回は同僚数名が同じ便で帰国したので、ご厚意に甘えてスーツケース(特大)1個と手荷物(大)1個を預かってもらうことができました。スーツケースは3個とも重量オーバー。1個あたり100,000MNTの超過料金を支払いました。1人1個、23キロまでなら超過料金を取られることなくチェックインできます。

 

(2)出国審査

普段はものの1分で終わる出国審査ですが、なぜか今回は時間がかかりました。コロナの影響云々ではなく、担当の方が慣れていなかったようですが、しきりに「IDカード」を求められ、パスポートも念入りにチェックされました。私のIDカードは既に職場に返却していたため持っていない旨を何度も説明して、時間ギリギリになんとか出国審査を終えることができました。

 

~機内にて~

(1)混み具合

3人掛けの席に2人ずつ座っているケースが多く、満席ではありませんでした。これは日本側で搭乗者数を制限していることが理由です。尚、現在のコロナ禍では、何か特別な事情が無い限り外国籍の人に日本へ入国するための査証は発給されません。多くの搭乗者は日本で乗り継ぎをして、また別の国へ向かう人たちでした。

 

(2)機内食

機内食はまったく出ないものと覚悟し、事前にパンを買い漁って乗り込みました。ところが、離陸から1時間ほどでドリンクとサンドイッチのサービスが。コーヒー、お茶、ペットボトルの水、そしてサンドイッチ(ベーコンorチーズ)が配られて嬉しい誤算。このペットボトルの水は、成田到着後の抗原検査に向けて非常に重要な役割を果たします。一気飲みはせず、着陸後まで大事に取っておきましょう。

~着陸後~

(1)機内から外へ

機内では何かの対応を求められることはなく、通常通り自分の手荷物を抱えて機内から出ます。

 

(2)30分間の待機

ずらっと椅子が並ぶ待機場所へ向かうと、前から順に座って待機するよう指示されます。そこで①誓約書、②体調管理質問票、③アプリのインストールについての同意書が配布されます。①の誓約書には、14日間の待機場所の住所や、隔離中に連絡可能な電話番号やメールアドレスの記入が求められます。また、ここで30分待たされる理由は、次に待ち受ける「唾液採取による抗原検査」前の30分の間、飲食が禁止されているからです。この間は小さな子どもであっても飲み物を口にすることは許されていませんでした。そのため、機内で配られた水を戦略的に飲んで、口の中を潤しておくことが非常に重要です。私の同僚は、機内で一切水に口を付けないまま待機場所に来てしまったため、その後の抗原検査で唾液を出すのに苦しんだと苦悶の表情で打ち明けてくれました。

 

(3)書類のチェック

待機場所から移動した先では、書類一式(上記①②③)とモンゴル出発前に受けたPCR検査の陰性証明の提示が求められます。証明書は他の書類と一緒にホッチキスで止められますが、私はここでPCR検査の領収書まで手渡してしまい、そのまま回収されるというミスを犯しました。後の精算で必要になる方もいると思いますので、ご注意ください。

 

(4)唾液採取による抗原検査

鼻に棒を入れられることと比べたら、痛くもかゆくもありません。ただ、求められる唾液の量が思いのほか多く、理科の実験でお馴染みの試験管に1cmくらい唾液を出すよう指示されます。隣の人との間にはパーテーションがあり、それぞれの壁にはレモンの絵が。酸っぱいものを見て、たくさん唾液を出そう作戦です。ここでのタイムロスは後々響いてくるので、速やかに唾液を出して次に進みたいところです。

 

(5)MYSOS、COCOAアプリのインストール、動作チェック

位置情報確認とビデオ電話ツールのMYSOS、そして接触確認ツールのCOCOAというアプリのインストールと動作チェックが求められます。厚労省のこちらのサイト(Click)にインストール方法等の記載があるので、飛行機に乗る前にインストールしておくとスムーズです。

 

(6)「質問票」のQRコード確認

日本国内で使用するメールアドレス、電話番号などについての「質問票」を提出します。これは、事前にオンラインで回答できるので、チェックインが済んだら記入し、QRコードをスクリーンショットしておくのがおすすめです。質問票はこちらからダウンロードできます(Click)

 

(7)抗原検査の結果待ち

また別室へ移動し、抗原検査の結果を待ちます。就職試験会場さながらのガランとした大部屋で、番号付きの椅子が整列しています。指定された番号の椅子に座り、待つこと数十分。自分の番号が呼ばれたらさらに別室へ移動し、結果を聞きます。無事「陰性」と宣言されれば、ゴールは目の前。300メートル程歩き、ようやく入国カウンターへ行くことができます。

 

着陸から入国までの所要時間は、約3時間。今回は比較的早く出られた方だと思います。混雑状況や事前の準備(アプリインストール等)、唾液の出具合にもよるので、出来る限りのことは事前に準備しておくことをおすすめします。

 

待ち時間も荷物も多かったのでだいぶ疲れましたが、無事に出られた時の喜びも倍増です。また、今回驚いたのは、係の人たちの多国籍ぶり。多言語対応を求められる現場なので、色々な国の人たちをリクルートしたのだと思いますが、皆さんきれいな日本語でチャキチャキと私たちをフォローしてくれました。

 

こんな思いをして日本へ帰る日が来るなんて。意気揚々と旅立った2年前には想像もつきませんでした。

さあ、ここからは2週間の隔離生活です。2年分の納豆を食べながら、この暑さと湿度に負けないカラダ作りをしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人write

鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

8歳の頃、初めて出会った海外の友人がモンゴル人だったことがきっかけで、モンゴルに憧れを抱く。 早稲田大学国際教養学部在学中にモンゴル国立大学への留学が実現。 卒業後、アクセンチュア株式会社、外務省勤務を経て、日本国際協力センター(JICE)にて、モンゴルにおけるJICAの人材育成プロジェクトに携わる。 モンゴル滞在中は、孤児院支援、遊牧生活、起業も経験。 現在は早稲田大学公共経営大学院に在学し、モンゴル研究、通訳、執筆活動等を行っている。

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