モンゴルの新年

新年を迎え、既に1か月以上が経過しました。日本でお仕事をされている方々にとっては、年度末に向けて繁忙期を迎えておられることかと思います。
さてモンゴルはというと、毎年この時期は「旧正月」の準備で、日本とは違った意味で大忙しの時期です。

モンゴルでは、日本でいう1月31日の「大晦日」や1月1日の「元旦」ではなく、「旧正月」を祝う習慣があります。モンゴル語で「ツァガーン・サル(白い月)」と呼ぶこの旧正月、旧暦に沿って決められるため毎年時期が異なりますが、今年は2月16日(金)~18日(日)が旧正月の期間となっており、モンゴルへご出張などお考えの方々は要注意です!

というのも、ツァガーン・サル前はどの家庭でも家族総出で「ボーズ」というモンゴル版餃子を作る習慣があり、時には仕事に支障をきたすほど(笑)、皆さん大忙しとなるからです。モンゴル全体がお正月モードになるので、この時期に大きな会議や商談を設定するのは避けたほうが良さそうです。

さて、メインディッシュのこのボーズ。家庭にもよりますが、500個、600個用意するのはあたりまえ、「うちは今年1,000個以上作ったわよ!」なんていう家庭も珍しくなく、皆さんひたすらボーズ作りに勤しみます。「1,000個も作ってどこに保存するんだろう・・・」と思われる方もいらっしゃると思いますが、そこはモンゴル。最低気温マイナス40度の世界なので、家の外に置けば一瞬で冷凍餃子が出来上がるわけです。

ボーズ作りのほかにも、お正月のご馳走やプレゼント、新調したデール(モンゴルの民族衣装)などを用意して、いよいよ大晦日の夜。家族が集まってご馳走を囲んだ後は、連日親戚や知人の家を訪ね歩いて、ひたすらボーズとウォッカで新しい年を祝います。モンゴル人はとてもオープンな性格なので、「ツァガーン・サルにうちにおいでよ!」と誘われる機会があるかもしれません。そんなときは遠慮せず、ぜひモンゴル家庭のお正月を堪能してください。いくつかマナーがありますので、ご紹介します。

●正装はデール、ブーツ、帽子で、挨拶のときにハタグ(青い布)があるとベターです。
●家に入ったら、まず年長者の方に挨拶をしましょう。相手の方が自分より年上の場合は、手のひらを上にした状態で自分の腕を相手の腕の下に入れて、「アマルバイノー」と挨拶しながら頬と頬をくっつけます。(相手が自分より年下の場合は、腕の位置が逆になります。)
●挨拶の最後に、プレゼント(主に紙幣。5000トゥグルク~1000トゥグルクが相場です。)を両手で渡します。挨拶のとき、帽子は被ったままでいてくださいね。

さて、一通り挨拶が終わったら、後はボーズ、ウォッカ、馬乳酒、羊肉etcで大宴会のはじまりです!おそらく、エンドレスに「もっと食べて!もっと飲んで!」と勧められると思いますが、食べ過ぎ飲みすぎにはご注意を。(笑)日本とは一味違ったモンゴルのお正月、ぜひ一度体験してみてください。

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鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

8歳の頃、初めて出会った海外の友人がモンゴル人だったことがきっかけで、モンゴルに憧れを抱く。 早稲田大学国際教養学部在学中にモンゴル国立大学への留学が実現。 卒業後、アクセンチュア株式会社、外務省勤務を経て、日本国際協力センター(JICE)にて、モンゴルにおけるJICAの人材育成プロジェクトに携わる。 モンゴル滞在中は、孤児院支援、遊牧生活、起業も経験。 現在は早稲田大学公共経営大学院に在学し、モンゴル研究、通訳、執筆活動等を行っている。

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