国家大会議選挙2020

今日は、4年に1度の国家大会議選挙の投票日です。今回初めてオブザーバーとして投票所に立ち会わせて頂くことができたので、さっそく投票現場の様子をレポートしたいと思います。興奮冷めやらぬまま先にお伝えしてしまいますが、モンゴルの選挙システムはすごかった・・・!今回から投票者の登録と投票を全てシステム化した結果、とてもスムーズ且つ(見ている限りでは)有効な不正防止対策を講じることができていたと思います。では、投票の様子を具体的に見ていきましょう。

 

モンゴルの選挙制度は?

ー今回は中選挙区制が採用されています。

◆投票所ってどんなところ??

ー投票所に使用されるのは、日本と同じく学校や公共施設です。今回は、全国で2070ヵ所(ウランバートル:451ヵ所、各県1619ヵ所)の投票所が設置されました。この写真は日本のODAで建てられた122番学校ですが、こちらも投票所として使用されていました。

◆投票時間は??

ー本日6月24日(水)朝7時から夜22時です。モンゴルでは「Mori tsag (モリ・ツァグ)」「馬の刻」と呼ばれる11時40分から13時40分の間が縁起が良いとされていて、この時間に投票する人が多いのではないかと予想されていました。(モンゴル人にとってやっぱり馬は特別ですね。)

◆有権者となるのは何歳から??

ーモンゴルでは、18歳以上が有権者です。

◆どういう手順で投票するの??

ー投票手順はこんな感じです。

1.身分証の提示

2.指紋認証・顔写真チェック

3.手の消毒(コロナ対策)

4.番号の登録

5.投票用紙とフォルダを受け取る

6.投票用紙記入

7.投票

まず驚いたのが、2番の「指紋認証」と「顔写真チェック」です。指紋とIDの照合がされると、瞬時に備え付けのスクリーン上に本人の顔写真が表示されるんです。(写真の右上に映っているスクリーンです。)

このスクリーンに表示されている内容はこちら。グラフの左側に登録した人の顔写真が映ります。

(上)各投票所の登録者数と投票率(オレンジ:まだ投票していない人、緑:既に投票した人)

(真ん中左)有権者の中で投票所に来れない想定の人数

(真ん中右)男女比(黄色:女性、青:男性)

(下)年齢別グラフ(緑:18~25歳、ピンク:25~40歳、黄色:41~55歳、青:56歳以上)

 

こんなデータが瞬時に映し出されるなんて・・・・!!!!本人確認が済んだらコロナ対策として手の消毒を行い、投票用紙を受け取って所定の場所で投票用紙に記入します。記入が済んだら、登録時に受け取ったフォルダに投票用紙を入れて、ボックス(下写真)に投入。投票用紙をボックスに投入した瞬間、入り口に設置されたスクリーンのデータに反映されるという仕組みです。すごいよ、モンゴル・・・・・。私は自分が選挙に行って、無機質な箱に投じた鉛筆書きの白い紙が誰の手に渡って、果たしてしっかりカウントされたのかどうか、確認できたことがありません。

 

◆投票所の様子は?

ー特に混乱等はなく、有権者の方は順番に並んで誘導されたとおりに投票していました。今回はコロナ対策として、全員マスク必須・待合廊下では1.5メートルほどの距離をとることを求められていました。

どの投票所でも投票手順は同じですが、地区によって雰囲気がだいぶ異なっていました。今回視察した3ヵ所のうち、最初の2ヵ所は市内の中心部に近く、選挙管理員の待合スペースがきちんと用意されていて、人々の様子も穏やかな雰囲気でした。一方、最後に行った場所は中心部からは少し離れたゲル地区の多い地域だったのですが、閑散とした雰囲気のなか人々が淡々と投票や作業を行っていたのが印象的で、ここでも貧富の差を改めて実感しました。

(ゲル地区周辺の様子。今日は雷雨が激しく、水はけの悪い道路は洪水のようになっていました。)

また、今回は若者たちの間で「デール(民族衣装)を着て投票に行こう!」という呼びかけがあったらしく、デール姿の人々が多かったのもポイントです。

 

経済情勢が厳しいなかでの選挙に、人々はどのような期待と希望をこめて一票を投じたのでしょうか。今回の選挙がモンゴル国民にとって明るく前向きな未来への第一歩となることを心から願います。選挙結果については、また後日レポートしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人write

鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

8歳の頃、初めて出会った海外の友人がモンゴル人だったことがきっかけで、モンゴルに憧れを抱く。 早稲田大学国際教養学部在学中にモンゴル国立大学への留学が実現。 卒業後、アクセンチュア株式会社、外務省勤務を経て、日本国際協力センター(JICE)にて、モンゴルにおけるJICAの人材育成プロジェクトに携わる。 モンゴル滞在中は、孤児院支援、遊牧生活、起業も経験。 現在は早稲田大学公共経営大学院に在学し、モンゴル研究、通訳、執筆活動等を行っている。

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