モンゴルの寒さとはいかほどのものか

今年は世界中で記録的な暖冬ですが、モンゴルも例に漏れず暖かい!例年、ウランバートル近郊でもマイナス40度前後の寒さが続き、「あ、やばい、油断したら死ぬわ・・・」という日が何日があるのですが、今年はなんだかもう春めいてきましたね。暖かいとゾド(雪害)の被害が出ないし、ゲルで焚く石炭の量が減るので煙も少なくてすむし、いいことだらけ・・・とも言っていられず、世界的な温暖化の影響を考えると恐ろしい。温暖化然り、コロナ然り、自然界からのアラートは絶え間なく鳴り響いています。今年はアメリカの大統領選ですが、時を同じくしてモンゴルでも総選挙が行われます。遊牧民をルーツとするモンゴル人は、自然との共存、自然環境への配慮という点で潜在的には高い意識を持っているはずなのですが、それが今後どう政策に反映され、国民はどう評価・判断していくのでしょうか。今後の選挙戦、注目したいと思います。

暖冬の話からフラフラとずれてしまいましたが、今日はモンゴルの「寒さ基準」について書きたかったんです!これが非常に面白い。まず、12月22日から9日間ずつの期間を「1クール」に分け、1クール×9回(つまり、9日×9回=81日)を「冬本番」として捉えます。この9クールを耐え凌げば春を迎えることができるというわけなのですが、各クールの寒さが絶妙な言い回しで表現されているんです。

(モンゴル語で数字の「9」を「ユス」と言います。「1期のユス」、「2期目のユス」・・・というように表します。)

1期目のユス・・・12月22日~12月31日 グラスに入れたウォッカが凍るくらい寒い。(序の口)
2期目のユス・・・1月1日~1月9日 もっと度数の強いウォッカでも凍っちゃうくらい寒い。(身の危険)  
3期目のユス・・・1月10日~1月19日 3歳のベビー牛の角が凍るほど寒い。(引くレベル)
4期目のユス・・・1月20日~1月29日 4歳の子牛の角が凍っちゃうほど寒い。(限界点) 
5期目のユス・・・1月30日~2月8日 お茶碗によそったご飯を置いておいても凍らなくなるくらいの寒さ。(希望の兆し)
6期目のユス・・・ 2月9日~2月17日 道路がやっと見えてくるくらいの寒さ。(感涙)    
7期目のユス・・・2月18日~2月27日 雪解けのはじまり。山のてっぺんが見えてくる。(少しの余裕と笑顔)
8期目のユス・・・2月28日~3月8日 雪が解けて、道がぬかるんでくる。(長いトンネルと抜けるとそこには) 
9期目のユス・・・3月9日~春はもう目前!!(勝利の雄叫び)

 

今年は、年末に数日だけ「身の危険」レベルの寒さを感じましたが、それ以外は「序の口」でしたね。牛の角が凍るて・・・・・どういうこと。笑 でも、そんな寒い日に、こんな雪遊びも一興ですよ!

この記事を書いた人write

鹿野 詩織
鹿野 詩織(かの・しおり)

8歳の頃、初めて出会った海外の友人がモンゴル人だったことがきっかけで、モンゴルに憧れを抱く。 早稲田大学国際教養学部在学中にモンゴル国立大学への留学が実現。 卒業後、アクセンチュア株式会社、外務省勤務を経て、日本国際協力センター(JICE)にて、モンゴルにおけるJICAの人材育成プロジェクトに携わる。 モンゴル滞在中は、孤児院支援、遊牧生活、起業も経験。 現在は早稲田大学公共経営大学院に在学し、モンゴル研究、通訳、執筆活動等を行っている。

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