ABOUT ODAODAについて

政府開発援助(Official Development Assistance:ODA)

豊かな鉱物資源に支えられ目ざましい発展を遂げているモンゴルに対して、政府開発援助(Official Development Assistance:ODA)で互恵的かつ相互補完的な経済関係の強化に資する協力を展開しています。当ホームページでは、過去の援助や現在実施されているプロジェクトを紹介してまいります。モンゴルと日本の協力関係について皆様の理解が深まり、両国の友好関係のさらなる発展につながっていけば幸いです。

ODAの変遷と実績

日本政府によるモンゴルに対するODAは、1977年に締結された経済協力協定に基づき実施された無償資金協力「ゴビ・カシミヤ工場建設」に始まります。その後、1990年にモンゴルが社会主義体制から市場経済体制に移行したことを機に日本による無償資金協力が再開されるとともに円借款が初めて供与され、日本の対モンゴルODAは本格化しました。

近年では、首都ウランバートルへの急速な人口の一極集中に伴って大気汚染などの環境問題など、都市問題も顕在化しため、2010年から「大気汚染対策能力強化プロジェクト」を実施し、大気汚染に関する測定技術の強化や日本の環境対策・制度などについての技術指導も行っています。また鉱業依存の経済体制を改善し、民間セクター主導による産業の多様化を図るため、モンゴルの中小企業に対する低金利・長期の融資を行うための円借款「中小企業育成・環境保全ツーステップローン」を2005年と2010年の2回に渡り総額80億円供与しました。更に最近では、モンゴル国が必要とする産業人材を育成し、同国の工学系高等教育機関の機能を強化するために、円借款事業で「工学系高等教育支援計画」を実施し、日本への留学を通じた人材育成への支援を行っています。

このような日本政府のモンゴルに対する一貫した支援により、民主化への移行期という財政的に最も苦しい時期に極めて大きな役割を果たすとともに、モンゴル国を担う人材育成を行っています。

参照:https://www.jica.go.jp/mongolia/index.html
http://www.mn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/keikyou_odaguideline.html

PROJECTプロジェクトの紹介

「子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクト」 Teaching Methods Improvement Project towards Children’s Development

支援分野
教育
協力期間
2006年4月~2009年7月

モンゴルの教育課題

モンゴルでは、従来から暗記中心の教授法により授業が行われているという課題を抱えてきました。また、教育行政能力の不足、教員の質の低下、教育インフラの未整備、高等・専門教育の未発達、地方における就学率の低下など様々な問題が生じていました。

この問題を解決するため同国政府は、2005年9月に新教育スタンダードを制定し、「子どもの発達を支援する指導法」に転換しました。しかし、教員は従来の暗記中心の教授法で養成されてきたため、「子どもの発達を支援する指導法」の具体的な方法が分からず、授業で実践できないでいました。

課題への取り組み

そこでODAの活動として、教員向けの指導書と指導書作成マニュアルなどの開発を支援しました。これにより、モデル県における「子どもの発達を支援する指導法」の普及に寄与しました。このプロジェクトの授業を受けた子どもの変化については、自己表現力の向上やチームワークの実施例、成績上昇などのプラスの影響が報告されています。

「日本モンゴル教育病院建設計画」 The Project for Construction of Mongolia-Japan Teaching Hospital

支援分野
教育
協力期間
2015年~

モンゴルの保健セクターの現状と課題

モンゴルの乳児死亡率、妊産婦死亡率は減少し、全体の基礎保健指標は改善しているものの、依然として地域格差は大きく、地方の一次および二次医療サービスの向上は保健セクターの課題となっています。同国政府は、新卒医師の地方へ配置を推進していますが診療技術が低く、医師に対する統一された教育プログラムが無いなど卒後研修体制が整っていない状況です。

課題への取り組み

この協力では、唯一の医療系国立大学であるモンゴル国立医科大学に初の教育病院を建設し、必要機材の調達を支援します。これにより、質の高い卒後研修提供体制の構築を図り、優先度が高い三次医療サービスや市内の二次医療サービスの提供を通じ、同国の医療サービスの質の向上に寄与します。

「新ウランバートル国際空港建設計画」 New Ulaanbaatar Int’l Airport Construction Project

支援分野
航空・空港
協力期間
2015年~

モンゴルの運輸・航空セクターの開発実績と課題

現在の首都空港であるチンギスハーン国際空港は、設立されて以降、増加する需要に対応すべく滑走路の舗装や延長等の改修が行われてきました。ですが、同空港 は、南と東側を山に囲まれているため、離着陸は北西側のみしか利用できないという立地上の問題から遅延や欠航の頻発といった問題を抱え、拡張事業等を行えない状況でした。

課題への取り組み

この協力で首都ウランバートル郊外に新空港を建設することにより、首都空港の安全性・信頼性の改善及び利便性の向上を図り、もって当国のさらなる経済発展に寄与します。また、旅客ターミナルビルに広めの授乳室を確保しており、乳児を持つ母親にも利用しやすい設計となっている等、本事業は全体として女性に配慮した設計となっており、障害者トイレの設置、障害者に優しい動線の確保等を設計に含めています。